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知識を増やすより、現場での実体験を積み重ねよう

福山 良和 福山 良和 明治大学 総合数理学部 教授

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【15】

稲盛和夫『生き方』(サンマーク出版・2004年)

本書は京セラとKDDIを創業し、日本航空を再生に導いたカリスマ経営者・稲盛和夫氏による人生論です。夢をどう描き、どう実現していくか。人間として大切なこととは何かをわかりやすく説き明かしています。若い人たちにとってこれからの生き方を決められるような本がよいと思い選びました。

稲盛氏はこの本のなかで、知っていることとできることは必ずしもイコールではなく、現場で汗をかかないと何事も身につかないと述べています。確かにその通りです。本を読むことも重要ですが、世の中には知識ばかりを詰め込んだ評論家が多すぎると思います。本を読むよりもっと大事なことは、仕事の範囲を限定せず、関係する現場に足を運び、自分の目で確かめ、現場の人と話をし、自ら考えるということではないでしょうか。

私の研究室では企業との共同研究に学生を参加させています。打ち合わせでは企業側から「現場ではこうですよ」と厳しいことを言われますが、教員と学生の2人だけで論文を読んで研究するよりも、現場の問題にどうやって対処するか経験を積むほうが大切なのです。

いまの若い人たちはどちらかというと淡白で熱意のないタイプが多いようですが、何かをやりきることを通して情熱を育てて欲しいと思います。稲盛氏のように「寝ても覚めても四六時中そのことを思いつづけ考え抜く」姿勢が、心に描く人生へ近づく一歩となるのです。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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