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AIに打ち勝つために、「問い」を見つける力を伸ばそう

伊藤 氏貴 伊藤 氏貴 明治大学 文学部 准教授

めまぐるしく変化する世界情勢において、企業や組織が生き残っていくために、どんな人材が求められているのか。
さまざまな分野に精通した明治大学の教授陣が考える、これからの日本を担うリーダーに必要な力とは。

教授陣によるリレーコラム/私が考える「次世代リーダーに必要な力」【34】

東大合格を目指すAI「東ロボくん」の開発者である新井紀子氏は著書「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)で、シンギュラリティはこない(AIに人間が支配される時代は到来しない)と述べています。また、自然言語は数式化できないため、読解力のないAIはどんなに頑張っても東大を合格することができないとしています。一方で、現在の中高生はAIと同程度の読解力しかないという調査結果も出ました。AIがすべての面で人間を上回ることはないとしても、今ある仕事のほとんどがAIに取って代わられるところまできているのです。

これからの時代に生き残るためには、AIと違うところを伸ばす必要があります。そのひとつが読解力です。例えば、人間にとって何が幸せかを考える力はAIにはありません。これが人間にとっての幸せだと示せばそこまでの道筋をAIはやってくれますが、何が自分にとって大事なのかは個々人が考えることです。それが「問い」です。「学問」というのは半分は学びの部分、もう半分は問いでできています。答えを見つけることも大切ですが、そもそも何が問題なのかを考える力が特にリーダーには求められます。

もうひとつは優先順位を見究める力です。現代社会は情報量が多過ぎて、入ってくるものを見ていくだけで1日経ってしまいます。昔は情報を得るために図書館に行き、最後まで本を読まないとわからなかったものが、今は検索するとすぐ答えがでる時代です。数ある情報の中で、それが本当に重要なのかどうか取捨選択する力を養いましょう。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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