2024.03.21
- 2018年2月1日
- リレーコラム
私が考える「次世代リーダーに必要な力」【17】
市川 孝一 明治大学 文学部 教授(2018年3月退任)めまぐるしく変化する世界情勢において、企業や組織が生き残っていくために、どんな人材が求められているのか。
さまざまな分野に精通した明治大学の教授陣が考える、これからの日本を担うリーダーに必要な力とは。
共感能力を含めたトータルとしての“人間力”を磨こう
最近は、自分のこだわりが強く、対人関係をうまく築けない人が増えています。これからの時代に組織をまとめていくには、「みんなついてこい!」というような突出したリーダーよりも、共感能力を含めたトータルとしての人間力がますます重要になってくると思います。
トータルの人間力とは、ある種のバランス感覚のことです。ネットメディアの特性から見ると、個人化に向かっていくわけですから、集団をまとめるという意味のリーダーシップに関しては、今まで以上に総合力が要求されるのではないでしょうか。例えば、野球でいうと、打てるだけではダメ、走れるだけではダメなのです。すべてに精通した監督のような存在が必要とされているのです。
組織の人間に対して共感能力を持っていること、また、組織を引っ張っていけるような人間力を備えていること。実際に体現できる人物はそうそういないと思いますが、次世代のリーダーにはこのような力が求められていると思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。