2024.03.21
- 2017年10月12日
- リレーコラム
私が考える「次世代リーダーに必要な力」【4】
高瀬 由嗣 明治大学 文学部 教授めまぐるしく変化する世界情勢において、企業や組織が生き残っていくために、どんな人材が求められているのか。
さまざまな分野に精通した明治大学の教授陣が考える、これからの日本を担うリーダーに必要な力とは。
相手の立場を理解する共感力を高めよ
活動的で決断力があり、行動力もある。リーダーには、そうした能力が必要でしょう。しかし、それにもまして、人望がなければ人の上に立つリーダーにはなれないと思います。そのためには、人の話に耳を傾け、しっかり理解することと、その人の置かれている立場をしっかりと想像できる力が必要です。それは、共感力です。
最近は、一人ひとりの個の力を養うことが重要といわれます。すると、エゴとエゴがぶつかり合うようになると思われがちですが、決してそうではありません。自身の個の力を養うことは、相手の個性を認め、尊重する力を培うことにつながります。自分はこう考えるが、相手は違うように考えている。その差異を理解するには、まず自分の考えがなければできません。その上で、相手の立場になり、物事を見たり考えることができる能力が、共感力なのです。こうした能力が高いほど、多くの人の意見をまとめ、みんなが納得する着地点を見出していけるようになります。これが人望につながります。
皆さんも、自分を主張しようとするばかりではなく、日頃から、まず、相手の主張に耳を傾ける姿勢を心がけてみてください。相手のことを、自分のことのように理解できる力が高まっていくはずです。すると、あなたの周りに、自然と人や情報が集まるようになってくることと思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。