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フェイクニュースは政治目的だけではない

2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で「フェイクニュース」がTOP10に選ばれ、その研究を学生とともに続けていた私が受賞者に選ばれました。一般には、2016年のアメリカ大統領選挙中に問題になり、2017年にトランプ大統領が、自分に好ましくない報道をする主要メディアに対し「フェイクニュース・メディア」と何度も批判したことでさらに話題になり、広まったと思います。しかし、何を指してフェイクニュースかといえば、明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。2016年にオーストラリアのマッコーリー辞典が、「政治目的やウェブサイトへのアクセスを増やすために、ウェブサイトから配信される偽情報やデマ。ソーシャルメディアによって拡散される間違った情報」という定義をしていますが、私たちの感覚では政治目的などに限らず、もっと幅広い意味で捉えているのではないでしょうか。また、「ファースト・ドラフト・ニュース」のリサーチディレクター、クレア・ワールド氏が2017年2月に発表した論考の中で、フェイクニュースを7つに類型化しています。①風刺・パロディ(騙す意図はない) ②誤った関連付け(見出し、画像、キャプション) ③誤解させるコンテンツ ④誤ったコンテクスト ⑤なりすましコンテンツ ⑥操作されたコンテンツ ⑦ねつ造コンテンツ(100%虚偽のコンテンツを、騙したり損害を与える目的で新たに作り出す)。これは、騙そうとする意図の度合いによって分類しています。なるほどと思えますが、では、本人も偽情報とは思わず、むしろ良い情報だと信じて善意で誤情報をリツイートした場合はどうなのでしょう。特に日本では、政治目的よりもこういった形で偽情報が拡散するケースが多いかもしれません。つまり、話題になっている「フェイクニュース」ですが、その定義もまだ明確ではないというのが現状です。

そこで、私は清原ゼミの学生たちと、ヤフーニュースと朝日新聞社の記者とともに、フェイクニュースを見分ける目を養うための調査プロジェクトを進めてきました。若者目線で見るフェイクニュースとはどういうものか、騙されないためにはどうすれば良いのか。この研究についても触れながら、解説していきたいと思います。

次回は、フェイクニュースの日米の違いについて解説します。

#1 フェイクニュースって、なに?
#2 日本では政治目的のフェイクニュースは少ない?
#3 フェイクニュースの拡散は防げる?
#4 法によるフェイクニュース対策を望む?
#5 メディアリテラシーって、なに?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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