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プライベート時間の様々な経験が、仕事に新しい発想を生む。

いま、日本では長時間労働是正が潮流です。定時で帰ることが奨励されたり、一定の時間になるとオフィスが消灯される会社もあります。すると、皆さんは増えたプライベートの時間をどう過ごしているでしょう。家族と団らんしたり、友人と遊んだり食事をしたり、あるいは趣味に没頭したり、英会話学校に通う人もいるかもしれません。それが良いのです。仕事以外の様々な経験をすることがとても大切です。それは、あなたの人生を豊かにするのはもちろん、その経験が仕事にも活かされることにつながるからです。例えば、会社では事務職で、パソコンの入力や書類づくりなど単純作業しか任されていなくて、仕事がつまらないと思っている(ワーク・エンゲージメントが低い)人もいるかもしれません。でも、プライベートでのいろいろな経験を仕事に活かす意識をもっていると、ルーティンワークだったものを改良したり、新しい提案をするヒントを得ることができるかもしれないのです。実は、近い将来、効率が求められる作業はAI(人工知能)による機械に任されるようになると言われています。では、人の強みは何かと言えば、仕事とは無関係の会社外での様々な経験をヒントに、いまの仕事の改善法や、新たな提案を発想することだと言われています。こうした発想は、研究開発や企画部門の人だけでなく、事務職でも営業職でも求められます。こうした自由な発想の意識を常にもってプライベートの時間を過ごす人が、これからはワーク・エンゲージメントの高い人になっていくと思います。つまり、会社による労働環境の改善を待っていたり、言われた仕事をただ定型的にこなすのではなく、いま向き合っている仕事に対して常に工夫する意識をもつことこそが、仕事に対する「活力」、「熱意」、「没頭」を生むのです。そのためには、労働時間が短くなった分を意味もなく浪費してはいけません。時にはファミレスでボォッとしたり休養やリラックスも大切ですが、あくまで長時間労働の是正は、自分の仕事の質を上げるチャンスと考えてください。

次回は、あらためて長時間労働是正の本質を考えます。

#1 長時間労働を是正すればすべてが上手くいく?
#2 ワーク・エンゲージメントって何?
#3 ワーク・エンゲージメントが高いのはどんな人?
#4 会社の工夫でワーク・エンゲージメントは高くなる?
#5 仕事時間が短くなったら何をする?
#6 長時間労働是正がダイバーシティの推進を生む?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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