明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

#1 持ち家と借家、どちらが良い?

明治大学 理工学部 教授 園田 眞理子

家には、住むという側面と資産形成の側面がある

人が生きていくために必要なものは「衣食住」といわれるように、家は絶対に必要なものです。現代では、家は買ってローンの支払いをするにせよ、借りて家賃を払うにせよ、お金をかけて確保していかざるを得ないのです。そういった意味では、家賃は住の使用料ということで、わかりやすいと思います。一方、家を買うということは、資産形成という側面があります。持ち家は住の確保であるとともに、不動産に投資する、不動産を使って資産を形成するということです。多くの人が、将来に備えて貯金をしたり、あるいは、株などに投資して資産形成を図りますが、借家住まいの人は家賃を払いながら、また別の予算で資産形成をしなくてはなりません。ところが、家を買った人は、ローンを払うことで、自分が住んでいる家が資産形成のひとつの手段となるわけです。そういった意味では、家を買う方にメリットがあるといえます。

もちろん、家を買えば必ず資産形成ができるとか、借家住まいにはメリットがまったくないというわけではありません。例えば、バブル期に家を買った人は、土地も建物も高額で、長期ローンで収入の多くを支払いに充てることになったのに、いまは土地価格が下落し、買ったときの半分とか1/3になっているケースもあります。これでは資産形成どころではありません。さらに、通常、買った土地や建物が担保となってローンが組まれますが、ローンが返済できずに破綻し、担保の土地や建物を奪われ、それでもローンが完済できず、家がなくなったのにローンだけがどこまでもついてくる、という悲惨なケースもあります。

では、どうすれば失敗せずに家を買ったり、上手に家を探せるのか、お話ししていこうと思います。

次回は、上手な家の買い方についてお話しします。

#1 持ち家と借家、どちらが良い?
#2 いまは、家を買うリスクが大きい?
#3 持ち家はライフスタイルに応じた選択肢ができない?
#4 良い家を見つける良い方法は?
#5 日本の家って循環できるの?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

  • Facebook
  • Twitter
  • Hatena

連載コラムの関連記事

世代間のギャップこそ新時代へのヒントにしよう

2020.8.6

世代間のギャップこそ新時代へのヒントにしよう

  • 明治大学 国際日本学部 特任教授
  • 沼田 優子
世代や知識を問わず、様々な人の話を聞いてみよう

2020.7.30

世代や知識を問わず、様々な人の話を聞いてみよう

  • 明治大学 農学部 専任講師
  • 瀬戸 義哉
メモを取るのをやめて、思考を突き詰めてみよう

2020.7.27

メモを取るのをやめて、思考を突き詰めてみよう

  • 明治大学 総合数理学部 教授
  • 小松 孝徳
#5 私たちにできることとは?

2020.7.17

#5 私たちにできることとは?

  • 明治大学 経営学部 教授
  • 塚本 一郎
疑問や課題をメモにして整理し、可視化しよう

2020.7.16

疑問や課題をメモにして整理し、可視化しよう

  • 明治大学 経営学部 教授
  • 原田 将

Meiji.netとは

Meiji.net英語版

特別授業

新着記事

2020.08.05

人口変動と人びとの歴史を結わえること

2020.07.29

お金について学ばないことで失う機会は大きい

2020.07.22

人類の危機を救う植物の秘めた力を解き明かす

2020.07.15

人の生活を助けるロボットの普及を妨げているのは、「人」である

2020.07.08

ブランド価値の向上が日本企業の課題

人気記事ランキング

1

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

2

2017.10.18

ゲーテッド・コミュニティの実態に迫り、その“可能性”を探る

3

2020.08.05

人口変動と人びとの歴史を結わえること

4

2016.10.19

スポーツビジネスの功罪を考えると、社会の未来が見える

5

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム