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2015.02.01

明治大学発、東日本大震災復興支援の今 ―震災を風化させないために―

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学生が求められる要因

――先生が研究しているテーマと復興支援は関わりがあるのでしょうか。

私は経済地理学を専攻しています。経済地理学は、一般的に経済諸活動の分布や空間的差異、あるいは空間的相互作用を対象とする学問です。私が研究対象としてきたのは地方の活性化やまちおこしですが、人と人とのネットワークが相乗効果を生むことに着目して研究を進めてきました。震災復興はまちおこしとは基本的に異なるものの、地方を元気にして活性化するという意味ではリンクする部分もあります。地域活性化には、「若者、馬鹿者、よそ者」が必要と言われています。若者は積極的に取り組む実働部隊であり、馬鹿者は既成にとらわれないアイデアマン、よそ者は第三の客観的な視点を持った人です。学生のボランティア活動にも、これらの要因が少なからずあると思われます。ちなみに、現在の私の研究テーマは、地方における再生可能エネルギーの普及とその可能性。言うまでもなく、東日本大震災がもたらした原発事故を受けての研究テーマの転換でした。

被災地の今を感じ、考えること

松橋公治 副学長 ――今後、国民は震災復興にどう向き合えばいいのでしょうか。社会への提言をお願いします。

震災から4年、すでに風化が始まっていることを感じています。決して風化させてはならないという考えから、東京でフォーラムや写真展を開催してきましたし、今後も続ける計画です。まずは、国民一人ひとりがあの大震災を心に留め、小さなことからでも、被災地の今を感じ、考えることが必要だと考えています。それが風化を防ぐために求められています。また、復興支援は私自身の生き方や生活を問いなおすきっかけになりましたし、多分、多くの学生、先生方も同様だと思います。被災地の復興は、地域によって格差があり、平常な生活を取り戻す見通しが立った被災者の方もいれば、まだ先が見えない方々もいらっしゃいます。したがって復興支援は、様々なカタチで今後も継続していく必要があります。多くの人が現地に行って、被災地の今を感じてもらいたいと思っています。それを私の社会への提言とします。

――本日は、ありがとうございました。

※掲載内容は2015年2月時点の情報です。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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