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「継続は力なり」「温故知新」「日日是好日」
2025.09.17

座右の銘、私のモットー「継続は力なり」「温故知新」「日日是好日」

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/座右の銘、私のモットー【4】

私には、折に触れて自分を支えてくれるモットーが3つあります。「継続は力なり」「温故知新」「日日是好日」。いずれも誰かから教えられたというより、人生の節目節目で自然と心に定着していった言葉です。

最初の「継続は力なり」は、大学入学当初から心に抱いていた言葉です。受験勉強の過程で学んだのは、結果もさることながら、その過程にある「続けること」の力でした。

中途半端にやめてしまえば、どんな努力も意味をなさない。地味でも、時間がかかっても、積み重ねることの中にしか得られないものがある。これは研究者として建築材料や施工技術と向き合っているいまでも、変わらず私のなかに息づいている考えです。

次に「温故知新」。これは、社会人としてのキャリアを経て大学に戻り、本格的に研究の道に進むようになってから、改めて意識するようになった言葉です。修士課程を修了後、私は民間の建設会社に就職し、技術者として研究開発の仕事に携わっていました。その後、縁あって母校に戻り、研究者としての歩みを始めました。

過去の論文をひもとき、先人たちの積み上げてきた知見に触れるなかで、いまに生きる多くのヒントがあることに気づかされました。「温故知新」という言葉が「現在と未来を照らすための過去の活用」だということを、実感として持つようになったのです。

そして、最後の「日日是好日」。これは、明治大学に赴任し、学生たちと研究室をともにするようになってから、自然と大切に思うようになった言葉です。

毎年、春には新しい学生がゼミに入り、次の春には卒業していく。その繰り返しのなかで、学生たち一人ひとりとの出会いや別れに、まるで四季のようなリズムを感じるようになりました。

この言葉は、「どんな日も良い日である」という禅の教えですが、私にとっては「毎日が新しく、学びの種に満ちている」という意味でもあります。研究というのはどうしても日々同じ作業の繰り返しになりがちですが、学生と過ごす時間のなかにこそ、自分が変わり続けるヒントがあるのだと感じています。

研究者として成果を追い求めるだけでなく、一人の教育者として、学生と共に育っていく。そんな気持ちで、日々を積み重ねています。私の研究室も、ただ成果を出す場所ではなく、みんなでワクワクしながら前に進むことができる場所でありたいと願っています。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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