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さまざまな分野に精通した明治大学の教授陣が考える、これからの日本を担うリーダーに必要な力とは。

教授陣によるリレーコラム/私が考える「次世代リーダーに必要な力」【19】

理想のリーダーになりたいと思うのであれば、まずは、誰にとっての理想のリーダーになりたいのか、ということを考える必要があります。当然のことながら、自分の理想を相手に押し付けているだけでは、それは、リーダーとして人を導いていることになりません。

いやいや、そんなことはしていない、と大抵の人は反論するはずです。リーダーたるもの、自分の理想よりも部下との関係を重視して当然ではないか、と。果たして、それは本当でしょうか?

理想のリーダー像を思い描こうとしているとき、あなたはきっと、その人の部下の視点に立っているはずです。このこと自体に、特に問題はありません。ですが、現実にあなたがリーダーとなったとき、現実の部下が「あなた自身」ということはあり得ません。冒頭の言葉と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、実は、「誰にとっての?」という問いかけに、正解はない――あるとすれば、「あなた以外の誰か」ということになるのです。

滅私奉公が良い、というのではありません。全体主義社会の恐怖を描いたジョージ・オーウェルの『1984』や、星野智幸の『俺俺』といった小説を読んでいると、「あなた以外の誰か」を理解することは、誰にとっても、ほとんど不可能なのではないかと思わされます。ですが、重要なのは、そうした「相互理解の不可能性」と呼ぶべき事態に対して、安易な解決法を求めない、ということです。

自分以外の誰かについて、どこまでも突き詰めて考えてみる。結果的にそれは、あなたの知らないあなた自身を発見することにもつながります。そのときこそ、あなたはきっと、理想のリーダーに一歩近づいていることでしょう。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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