
学びを加速させるアドバイス熱中できるものを見つけて突き詰めていく
教授陣によるリレーコラム/学びを加速させるアドバイス【8】
最近、韓国ドラマにはまりました。特に歴史ものを見ていると、これまで知らなかった時代や人物、出来事が描かれているため、「この人は実在しているのか、モデルは誰なのか」「どんな背景があったのか」など、いろいろ知りたくなってしまいます。
例えば、朝鮮王朝時代末期を描いた『ミスター・サンシャイン』を見たときは、ドラマに出てきた抗日運動をきっかけに、日韓の歴史に興味を持ちました。大統領暗殺事件をモチーフにした『ソウルの春』では、主人公の存在感に圧倒されて他の出演作を探して『国際市場で会いましょう』にたどり着き、朝鮮戦争やベトナム戦争当時の様子などを知ることができました。ひとつのことからどんどん好奇心が加速していく感じで、韓国ドラマの影響でハングルを学んだこともあります。
“勉強”と考えると苦になってしまいますが、そこに楽しみがあるとよいのではないでしょうか。語学の検定試験をめざすなら、「海外ドラマシリーズを字幕なしで見たい」「字幕つきでも、ある程度聞きとれるようになりたい」などがモチベーションになりそうです。
研究にも同じような面があります。大学時代、セルバンテスの『ドン・キホーテ』を原文で読む授業がありました。当時は特に感動しなかったのですが、社会人になってスペインで新しく編纂された『ドン・キホーテ』を買って読みはじめたら涙が止まらなくなったんです。何年も前に授業で先生が「いやー、いいですよね」と話していたことが、30歳くらいになってやっとわかってきたのかと。本を読んでから、さらに時代背景が気になったり、発言や行動の意図を考えたり、作中に登場した本を探したりしました。
何か熱中できるものを見つけて楽しむこと。そして、何かに興味を持ったらとことん突き詰めていく姿勢が大切です。すべての分野は何らかの形で関連性があるので、自然といろいろ調べるようになり、自分の世界が広がるのではないでしょうか。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。