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長生きリスクを、長生きハッピーにするために

明治大学 商学部 准教授 藤井 陽一朗

将来を思い巡らし、いまの行動を考える

藤井 陽一朗 若い人たちに、長生きリスクを考えてもらう教育プログラムとして、私は教室実験という手法を使ったアプローチが有効になると考えています。

 学生たちにとって、長生きリスクとは50年も60年も先のことで、そのための備えを説明してもイメージがつきません。

 そこで、教室内で、シミュレーションゲームのようにリスクの擬似的な体験をつくり出し、そのための予防行動としてなにが必要なのかをディスカッションしたりするのです。こうしたプログラムが、有効なナッジに繋がっていくものと考えています。

 要は、将来の立場や状況を思い巡らすことが重要であり、そこから逆算するように、いますべきことを考え、判断するということです。

 なので、社会人の方々も、ひとりで思い巡らすことが難しければ、身近にいる高齢者や、街やゴルフ場で見かけた高齢者でも構いません。ハッピーな様子の高齢者を見て、この人は自分の年頃にはなにをしていたから、いまハッピーなのだろうかと思い巡らしてみてください。すると、いま、自分にとって必要な行動が見えてくると思います。

 あらためて言いますが、いま、日本は人類史上初めての社会状況を進んでいます。従来の年金や保険制度は、この少子高齢社会では限界があることは明らかです。

 そこで機能する新たな社会制度の構築がまだ難しい現状では、私たち一人ひとりが、自分に適したハッピーを見出し、そのための行動をとることも重要だと思います。

 もうひとつの可能性として、これからの社会では、70代、80代の高齢者でも仕事ができるような環境が整えられていくことも考えられます。現在、各地で過疎対策などとして行われている取り組みがそのヒントになるかもしれません。

 高齢者が無理なく仕事が続けられるような社会になっていけば、健康であることの価値はさらに高まりますし、そもそも、長生きリスクの捉え方が変わるかもしれません。その可能性にも大いに期待し、注目しています。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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