
2022.08.09
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
法律上の親が確定すれば、問題が解決するわけではありません。子どもは、血縁上の親を知りたいと思うでしょう。子のアイデンティティー確立のためには、出自を知る権利が保障される必要があります。日本では、精子提供者は、匿名とされてきました。そのため、提供精子人工授精で生まれた人が、血縁上の父である精子提供者を知りたいと病院に情報の開示を求めましたが、知らせてもらえませんでした。イギリス等では、精子や卵子等の提供者についての情報をきちんと保管し、子どもが一定年齢に達したときに開示を求めることができるように、法整備されています。子の福祉のためには、出自を知る権利の保障も必要です。