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SIMロック解除を機に考えたいリスク管理

新美 育文 新美 育文 明治大学 名誉教授(元法学部教授)

SIMロックフリー先進国の“常識”

 日本では、通話用のSIMカードの購入に際しては本人確認が求められます。振込め詐欺のような犯罪に使われることを抑止するためですが、多くの国ではこのようなルールはなく、SIMカードも一般の商品のように手軽に購入することができます。実際、日本以外の国では、振込め詐欺のような犯罪はあまりありません。それは、一般市民がそのような詐欺に引っかからないからです。アメリカなどでは、電話をかけてきた相手が名乗るまで、自分から名乗ってはいけないと躾けられて育ちます。かけてきた相手が名乗らずに用件を言いはじめると、「ちょっと待て」となり、「あなたは誰なのか」と確認をとり、相手が本当に知り合いとわかるまで会話をしないのが常識です。これは一例ですが、諸外国では、社会には悪意をもってコンタクトする者がいるというリスクがしっかり認識されており、そのためのセキュリティ意識が育まれています。ところが日本は、誰もが同じ言葉を話し、同じ常識をもっているという、島国ならではの環境の中で、他人を信じやすい気質が育まれました。問題は、それが良いとか悪いということではなく、現代は、そんな日本人がインターネットなどによって、異文化に直結している環境にあることを意識するべきだということです。

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