さまざまな周波数の光が遠くまで効率的に届く、光ファイバの通信技術
光ファイバ通信では、ガラスでできた細い糸のようなものの中を光が伝わることで情報が送られます。簡単に言えば、光を点けたり消したりすることで、デジタルの「0」と「1」の情報が伝送されるという仕組みです。
この技術の大きな特徴は、信号が遠くまで効率的に届くことです。ガラスは不純物を取り除くことで限りなく透明に近づけてつくれ、100kmほどの距離であれば無中継で信号を送ることが可能です。金属製の電気ケーブルであれば、ある程度の伝送したところで信号が減衰してしまうため、増幅させる作業を繰り返さなければならないのですが、光ファイバのケーブルは、増幅させる中継機を100km近い間隔で置くだけでいい。現在のところ、有線の通信媒体としては光ファイバケーブルが最も特性がいいと言えます。
光ファイバケーブルは、敷設されたら25年間は使えるようにと仕様が決められていて、安全につくられてはいるのですが、海底ケーブルの場合、地震で海底が動いて引きずられたり、浅瀬であれば、船がいかりを下ろしたときに引っ掛けてしまったり、サメが噛んでしまったり、漁師さんが網にかけてしまったりと、破損する危険性も随所にあります。そうなると専用船を出動させ、破損したところを探して引き上げ、修理してまた沈めるという、高度な技術を要する作業が必要になります。
さらに電気のケーブルであれば、一般の子どもでもできるようなハンダづけで直せるのですが、光ファイバの光が通っている線は100分の1ミリと非常に細く、手作業で直すのは不可能です。専門家が専用の装置を使って対応しなければ修理ができません。
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