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免震構造の普及で住み続けられる街づくりを

小林 正人 小林 正人 明治大学 理工学部 教授

免震構造の正しい理解を広めることが必要

 近年、SDGsに対する関心が高まっています。その目標の11は「住み続けられるまちづくりを」です。その達成のためには災害に強いまちづくりが必要です。

 地震は人の力では止められませんが、地震に遭っても、まちの機能が途絶えることなく持続できる仕組みを、私たちは作っていかなければなりません。免震構造は、そうした社会のニーズに応えていくための技術だと考えています。

 もちろん、免震技術だけでなく、耐震や制振の技術と組み合わせていくことも必要であり、それによって、目標を達成していくことが可能になると思います。

 そのためには、研究者や技術者のさらなる努力が求められますし、また、社会的な理解を広めていくことも必要です。

 免震構造はその原理上、地震時にゆっくりと大きく動くという特性があります。このことが居住者に理解されておらず、期待した性能が発揮されなかったという批判を受けることがあります。

 また、先に述べたクリアランスは地上から見ると、建物の周囲をめぐる溝であり、その溝を覆って建物と地面を繋ぐ部分をエキスパンションジョイント(免震可動部)と言います。皆さんもビルなどに出入りするときに注意して見ればわかると思います。

 実は、この部分が地震時の建物の揺れにうまく追従せず、破損したり、脱落したりする事例が多く報告されています。設計時の配慮が不足していたような事例もありますが、建物の完成後に、免震建物が大きく動くことを全く考慮せず、設置したと思われるものも確認されています。

 このようなことで免震構造は有効ではないという認識が広がることは、社会的な損失と言っても過言ではありません。地震時にゆっくりと大きく動くという免震構造の特性を広く一般に理解してもらう必要があります。

 免震構造に対する正しい理解が浸透していくことは社会的な価値があることですし、それが、SDGsの目標11にも繋がっていくことです。そうなるように努めるのは、私たち研究者や技術者の責任でもあると考えています。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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