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期待が高まる、トマト、アスパラガスの画期的な新栽培法

明治大学 農学部 准教授 元木 悟

多様な体験が現状打破のヒントになる

 私が、アスパラガスの「採りっきり栽培」を発想するヒントになったのは、長野県職員時代に経験した、ジュース用(加工用)トマトの苗を地中深くに植える栽培法(改良マルチ法)です。様々な地域の、様々な野菜の栽培の体験を重ねると、その作物の従来の栽培法にとらわれない、多様な発想が可能になってきます。ミニトマトの「ソバージュ栽培」でも、その栽培法に適した品種選びが重要でした。逆U字型の支柱を覆ってトンネルになるほど茎が伸びる(節間伸長が優れる)品種は少なく、その中から、節間伸長が優れ、暑くても着果しやすく、裂果しにくい品種を見つけるために、試験を繰り返しました。結局、「ソバージュ栽培」に適したものは、節間の伸びがとても良い品種であり、従来の栽培法では、そのような品種はつる下ろしを何度もやらなくてはいけなくなるため、手間がかかり敬遠されていた品種だと思います。しかし、ジュース用の無支柱トマトの栽培では、摘心を行わず、つるを地面に這わせる栽培法を行っており、私はそれを体験していたことも、新栽培法開発のヒントになりました。

 現在、ミニトマトの「ソバージュ栽培」も、アスパラガスの「採りっきり栽培」も、全国各地の生産者の方々に体験(試作)してもらい、そこでの意見や改良、工夫などを、私たちの研究室で反映し、またフィードバックするという作業を繰り返しています。私たちの研究室では、毎年数回、生産者や指導者の方々、流通業者様などに向けてセミナーを開催していますが、毎回200~350名程度の参加者が集まり、お互いに情報交換を行いながら、自身の栽培技術の向上や新情報の取得に努めています。私たちの研究が研究室にとどまることなく、自治体や生産者の方々に反映され、それを基にまた研究が進む、そのような生産現場直結型の多様な共同研究体制こそが私の目指すところであり、そこに大学の研究室の意義のひとつがあると考えています。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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