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「持続可能な開発のための2030アジェンダ」から考える、いま私たちがすべきこと

明治大学 情報コミュニケーション学部 専任講師 髙橋 華生子

傍観者から脱すること

髙橋 華生子 そうしたCSR活動を行っている一方で、世界有数のグローバル企業が、途上国で上げた利益を法人税の低い国にある関連会社などに移転し、本来途上国に支払うべき税金から逃れている行為が発覚し、問題になっています。現行の法律では取り締まれないケースもあり、企業の倫理や責任ある活動を求めるのが、2030アジェンダの課題のひとつになっています。

 そこで重要なのは、私たち市民が企業をしっかりと見つめていくことです。そのためには、企業の活動を判断する目や知識を、私たちもしっかり蓄える必要があります。例えば、組織の社会的責任に関する国際的なガイドライン「ISO26000」があることをご存じでしょうか。ISO26000を遵守しているかどうかをチェックすることは、ひとつの有効な基準になります。フェアトレードや環境負荷が低い等のマークが付いている商品を購入することも、消費者としての意思表示になります。大切なのは、世界の貧困や格差、環境問題を対岸のことと思うのではなく、自らのことと捉える意識です。だからといって、大変なことを行う必要はありません。私たち一人ひとりが、少しずつで良いので、これくらいなら私にもできるというところから始めれば、それが大きな成果につながります。「2030アジェンダ」の目標達成には、政府も市民も企業も、みんなが一丸となって取り組むことが不可欠なのです。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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