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2023.07.12

フランスの議会史から見えてくるもの

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ひとりひとりの考え、判断で変わる民主主義のあり方

 先にも述べたように、民主主義はひとつの形が決まっているわけではなく、様々な捉え方ができ、それによってあるべき姿も変わってきます。そして、そのあり方を決めていくのは、私たち国民ひとりひとりです。

 翻って、現在の私たちの社会はどうでしょうか。多数派が絶対で少数派を無視したり排除したり、ただスムーズにいくことを良しとして議論することを面倒くさがったり、逆らいがたい同調圧力があったり。

 それは、私たちひとりひとりから、考えることを取り上げていることでもあり、より良い民主主義社会をつくるための大きな弊害になっているかもしれません。

 しかも、そうした日常的な出来事の中にいると、それが弊害であったり、問題であったりすることに、私たちは気づきにくくなっているのです。

 歴史から受ける示唆とは、いまの私たちが当然と思っていることを相対化し、問題点に気づく視点をもったり、それをひとりひとりがしっかり考えることの大切さに気づいたりするきっかけになります。

 皆さんも、そうした観点から歴史を学んでみてください。


英語版はこちら

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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