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西欧でも関心が高まる、私たちが知らなかったイスラム教の魅力

井上 貴恵 井上 貴恵 明治大学 文学部 専任講師

イスラム教には善く生きるヒントがある

 近年、西欧社会でスーフィズムに関心が高まっています。その理由は、スーフィズムの考え方や修行が、スピリチュアリティーの一環として捉えられているためです。

 つまり、スーフィズムの方法論が、心身のバランスを保ったり、癒やしを提供するものとして注目されているわけです。

 その意味では、イスラム教に対する関心というよりはむしろ、スーフィズムそのものが持つ精神性への関心が高まっているためと言えるでしょう。スーフィズムには人間の内面を豊かにするという考えがあったからこそ、西欧の人たちに積極的に受け入れられているとも言えます。

 現代人がこうした精神性の充実を求めるのはやはり、善く生きたいという願いの現れであると思います。

 私たちの周りに溢れるイスラム教に関する言説は、ヴェール、豚肉の禁止、アルコールの禁止など、暗闇の中で象に触れた感想を各々が述べているのと同じような気がします。我々は常に物事を部分的に理解しがちであると理解することで、その他の部分について語る他者の意見にも気を配ることが出来るのではないでしょうか。また、五感ですら疑ってみて、心の目を使ってみるというのも良い方法かもしれません。

 世界で最も多くの信者をもつ宗教になると言われているイスラム教の多様な側面に、皆さんもふれてみてはいかがでしょう。あなたにとって魅力的な一面を見つけることもできるのではないかと思います。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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