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2014.05.01

ワールドカップ開催に沸くブラジルの光と影 ―異文化を越えた相互交流のススメ―

ワールドカップ開催に沸くブラジルの光と影 ―異文化を越えた相互交流のススメ―
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ブラジルでの調査研究、教育交流

中林真理子教授 私がブラジルと関わりを持つようになったのは、2009年に遡ります。当時私は、専門である「保険とリスクマネジメント」に関し、明治大学長期在外研究員としてアメリカの大学で研究に従事していました。その際、ブラジルの保険市場の特異性に興味を持ち渡伯したのが、最初のブラジル訪問です。ブラジルの保険市場は日本とは大きく異なります。日本の保険契約は営業職員や代理店を介して行われるのが一般的ですが、ブラジルは日本とは異なり、ブローカーを使うことが義務付けられています。また、ブラジルの保険市場では銀行が強大な力を発揮しています。これは、ブラジルの広大な国土に十分な支店網を持つ銀行がブローカーとして積極的に保険ビジネスに取り組んでいるためです。さらに、ブラジルの保険市場は特に外国企業にとっては規制の厳しいマーケットで、他の産業同様に国内産業保護政策が根強いのです。
この最初の訪問をきっかけに、以来、定期的に訪れて、現地に進出している日本の保険会社を中心とした調査研究を続ける一方、商学部が中心となって推進するラテンアメリカ異文化交流プログラムで、ブラジルのみならずラテンアメリカの協定校との相互交流を進めてきました。現在では、学生間のビデオカンファレンスや相互訪問(短期留学)に発展しており、日本とラテンアメリカ各国との架け橋となる人材を育てていきたいと考えています。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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