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ワールドカップ開催に沸くブラジルの光と影 ―異文化を越えた相互交流のススメ―

明治大学 商学部 教授 中林 真理子

ポスト・アジアとしてのブラジルの重要性

中林真理子教授 私の研究テーマの一端を説明しましたが、再びブラジルに話を戻しましょう。現地の保険会社の調査研究や教育・学術交流を通じて感じるのは、ブラジル人そのものの魅力です。最初の訪問のときから、人々の明るさ、温かさ、おおらかさ、面倒見の良さは強く感じました。現在の日本の大学生には、守りや内向きの姿勢が多く垣間見られますが、それと比較して、本来の国民性もあるでしょうが、ブラジルの同世代は、モノの捉え方や考え方が後ろ向きでなく、どんな時でも明るさを失わないように感じます。そこには、若い日本の世代が学ぶべきものがあるように思います。
また、ブラジルは日系人が多く、サンパウロには世界最大の日系人社会が形成されています。現地で実感するのは、日本人であることがポジティブに見られ、高く評価されることです。一目置かれるといってもいいでしょう。しかし、治安は残念ながら良いとは言えません。ワールドカップでブラジルを訪れる人も多いと思われますが、盗難などの犯罪に遭遇しないためには、常に自分が警戒しているという姿勢を周囲に示すことが大切です。街中でスマホなどの携帯端末で道順を確認するといった日本では当たり前の行為も、現地では「襲ってください」と言っているようなもので厳禁です。
今、日本の企業は国内市場の飽和化に伴い、アジアを主戦場として積極的な進出を図っていますが、いずれブラジルをはじめとしたラテンアメリカ市場がさらに大きな注目を集めるようになるのは間違いないでしょう。そうした中、安定した日系社会が形成されているブラジルは、日本企業にとって極めて魅力的な国でしょう。今後、日本とブラジルは伝統的に友好な二国間関係をさらに強化すべきでしょう。
2016年にリオデジャネイロでオリンピックが開催されますが、その4年後は東京です。ブラジルと日本の間に新たな扉が開かれることに期待しています。

※掲載内容は2014年5月時点の情報です。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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