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暴走するのは核を保有した北朝鮮か? トランプか?

明治大学 国際日本学部 教授 蟹瀬 誠一

正しい情報に触れ、自分で判断することが重要

 今年の夏、私はゼミの学生を朝鮮半島の非武装地帯に連れて行き、38度線の現場を見学しました。学生たちは、韓国と北朝鮮の兵士がにらみ合う現場を目の当たりにして、非常に驚きます。また、ソウルからわずか52㎞ほどのところに、北朝鮮が韓国に侵攻するために掘ったといわれるトンネルの出口のひとつがあります。トンネルに入り、壁で塞がれた38度線の下まで行くことができ、学生たちは緊張感を高めますが、その出口付近は、いまでは韓国の観光名所となっており、たくさんの観光客で賑わっています。韓国の大手新聞社の元編集長の話を聞く機会を設けましたが、彼は、北朝鮮に対する日本の過度な反応と、韓国の慣れすぎた感覚を足して2で割ったくらいの危機感がちょうど良いと語っていました。現地でのこうしたリアルな情報に触れると、学生たちは、なぜ、このようなことが起きているのか、自分で考え、調べ、答えを探すようになります。現場を見て、本物に触れて、一次情報を手に入れると、メディアの報道に触れても起きなかった好奇心が、自然と湧き上がってくるのです。それが、非常に大切です。ネット上の情報や画像などを見ただけで、わかったような気になるのは非常に危険なのです。こうした体験を重ねることが、メディアに対する健全な懐疑心を育て、情報の真贋を見抜いて必要な情報を活用する能力、いわゆるメディアリテラシーを培うことにつながります。トランプ政権の誕生によって世界の潮流はどうなったのか、そして、今後それはどうなるのか、日本のメディアが伝える北朝鮮問題とは何なのか、こうした様々な問題にも、正しい情報に触れることで、自分で考え、自分で答えを探すようになることが、とても重要であると私は考えます。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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