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「スポーツ共創」の時代

明治大学 商学部 准教授 澤井 和彦

スポーツは、プレイヤーが皆ただの「消費者」になると発展が止まってしまう

澤井 和彦 未来の運動会に複数回参加しているリピーターに話を聞くと、スポーツに対する見方が変わった、と言う方が多いようです。

 参加者の1人の中学生は、スポーツの見方が変わったと同時に運動部活動に参加する意識も変わった、より主体的にかかわるようになった、と話してくれました。

 また、スポーツハッカソン参加者にはもともとスポーツが好きだったという方も多いですが、中にはスポーツは苦手で体育は嫌いだったけど、これなら自分も参加できる、という方もいます。アイデアを出すのには体力やスポーツの得意不得意は関係ありません。

 山口情報芸術センター(YCAM)ではこのスポーツハッカソンのプログラムを山口県内の小学校の総合学習の時間に実施していますが、その担当の先生にお話をお聞きしたところ、それまでクラスで目立たなかった子どもが急に活躍しはじめた、と仰っていました。

 スポーツが得意な子も楽しく参加していますが、そういう子のアイデアは既存のスポーツに寄ってしまっていて、あまり面白くないので採用されなかったり、それに対して頭はいいけどふだんはあまり前に出てこない、スポーツでもあまり目立たない子どもが急に積極的に発言しはじめ、新しくて面白いアイデアをばんばん出して、スポーツハッカソンをリードしていたのが印象的だった、と仰っていました。

 こういう新しい才能がどんどんスポーツに関わってくれるかもしれないというのも、「未来の運動会」ならびに「スポーツ共創」の可能性だと思っています。

 スポーツは、プレイヤーが全員ただの「消費者」になってしまうと発展が止まってしまうのです。スポーツ共創に参加する人が増えて、スポーツは自分たちでつくれる、ルールは自分たちで変えられる、という考えや態度が拡がっていけば、日本の”スポーツ”はもっと豊かになると思います。

 最後に、最近「アスリートファースト」という言葉をよく聞きますが、あれは「アスリートは消費者」宣言です。とくにトップアスリートが「アスリートファースト」などと言ってしまうのは、とても残念なことだと思っています。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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