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「スポーツ共創」の時代

明治大学 商学部 准教授 澤井 和彦

みんなでスポーツをつくる「スポーツ共創」が始まっている

 そこで近年は、新しいスポーツをどんどんつくろうというムーブメントがはじまっています。2014年に開催された「ニコニコ超会議」というイベントに集まったメンバーから、「ゆるスポーツ」「超人スポーツ」「未来の運動会」という3つの活動がはじまりました。私自身は、「未来の運動会」を主催する「一般社団法人 運動会協会」に理事として関わっています。

 「未来の運動会」は、ゲームクリエイターで「運楽家(うんがくか)」を名乗る犬飼博士さんが提唱し、2015年に山口県の情報芸術センター(YCAM)で第1回のイベントが行われ、その後山口で2回、京都や大阪、渋谷などでも行われてきました。

 2日から3日間のプログラムで、1日目と2日目には30~40人の「デベロップレイヤー(デベロップ+プレイ、「自らスポーツをつくって遊ぶ人たち」という犬飼さんの造語)」が集まり、運動会の種目をつくります。それを、「スポーツハッカソン」といいます。

 そこでつくられたスポーツを運動会のイベントにインストールして、最終日には、150人~200人以上の人が集まり、できたばかりの種目で、みんなで運動会をやります。

 ハッカソンには最新のデバイスも使われます。なかにはエンジニアやプログラマーなど、スポーツハッカソンに使えるデバイス自体を自分で開発する人たちもいます。

 そうしたデバイスを使った競技には、例えばスマートフォンが入っていて振動をカウントするボールを使い、ボールが振られた回数を競うリレーや、人間の位置を認識するモーションピクチャーとプロジェクションマッピングを組み合わせたゲームなどがあります。

 もちろん最新のデバイスだけでなく、既存のスポーツや運動会で使われる用具や、スポーツとは全く関係ない道具まで、ありとあらゆるものを利用してスポーツがつくられます。参加者のなかには障がい者もいらっしゃいますので、彼・彼女らも一緒にできる種目をみんなで考えます。

 運動会の当日は、まず開発者が参加者にプレゼンテーションをします。できたばかりの種目ですから、ハッカソンのメンバーたちが気づいていなかったことや安全性などについて質問が出ることもあります。

 そのときは、その場でみんなで意見を出し合い、競技のルールを変更したりします。”新しいスポーツ”を、参加者みんなでつくっていくわけです。

 もちろん、実際に大人数でやってみたらうまくいかなかったという種目もあります。開発現場には失敗もつきものです。そうした「アクシデント」も未来の運動会の一部です。

 こうしてつくられた種目は「パブリックドメイン」としてアーカイブされ、いつでもどこでも誰でもができるようにします。競技スポーツのコンテンツが足りない、と言いましたが、ならばみんながプレイしたいスポーツをみんなでどんどんつくっていこうということです。われわれはこれを「スポーツ共創」(Sports Co-Creation)と呼んでいます。

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