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2013.10.01

チャレンジすることで未来は拓ける ―レトリック批評の現在と現代若者論―

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コミュニケーションとは何か

 私の専門領域は、「コミュニケーション研究」(Communication Studies)です。生まれてから100年程度しか経ていない、まだ新しい学問であり、学際的な領域でもあります。コミュニケーション学が扱うのは、主にスピーチ・コミュニケーション論、異文化コミュニケーション論、対人コミュニケーション論、メディア・コミュニケーション論の4つに分類されます。ではそもそもコミュニケーションとは何かといえば、それは漠然とした意思の疎通を指すのではなく「共有された意味を創造するプロセス」と定義できます。したがって意思形成、意思決定、意思対立のすべてを研究対象に含むのがコミュニケーションです。
 私は、こうしたコミュニケーションの大切さを実感した経験があります。先に触れたように、私は日本の大学を卒業後、3年間の社会人生活を大阪で送りました。私の仕事はあるコンタクトレンズ会社の営業マンでした。最初は論理を駆使して理詰めで営業活動を進めましたが、1年目の成績は低迷。そこから脱却するため、2年目から、論理ではなくまずコミュニケーションによってクライアントと仲良くなることに力を注いでみたのでした。人間関係が構築されていると仕事の話がスムーズに進むようになり2年目から飛躍的に成績が伸びたのです。英語に「Dos and Don’ts」という言葉があります。「やるべきこと集とやらざるべきこと集」という意味です。その実践で私は成績を向上させましたが、これは相手を説得する「説得コミュニケーション」においても、きわめて示唆に富んでいます。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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