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「東芝の不正会計」からガバナンスを再考する

小俣 光文 小俣 光文 明治大学 経営学部 教授

信頼の喪失とブランドイメージの毀損は大ダメージ

 今回の不正によって、東芝は非常に大きなダメージを負いました。まず、金融庁からは有価証券報告書に虚偽記載をしたことにより73億7350万円の課徴金の納付命令が出されこれを納付しています。監査法人には過年度決算訂正に係わる監査費用として20億7152万円の支払いが発生しています。さらに、株主からも株価下落による損害賠償訴訟を起こされています。業績も落ち込み、2016年3月期は売上高6.2兆円に減少し、純損失は過去最大となる7100億円となり、その結果、自己資本比率は2.6%に落ち込む見通しです。さらに、のれんの減損損失を計上していないという問題もあります。東芝は、2006年に買収したアメリカの原発会社ウェスチングハウスの業績が当初の見通しを大幅に下回っているにもかかわらず、のれんの減損損失は計上していません。このウェスチングハウスの減損処理も考慮すればいつ債務超過になってもおかしくない状況です。

 また、東京証券取引所や名古屋証券取引所からは上場違約金の支払いが求められました。違約金の金額自体はそれほどではありませんが、資本市場の信頼を揺るがした影響は非常に大きいといえます。現在、特設注意市場銘柄に指定されており、指定解除となるのは9月以降ですが、そのとき、有効な増資が可能となるかは、毀損したブランドイメージと信頼を取戻せるかにかかっています。

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