日本社会がさらに一歩進むために
北欧型のサービス・エコシステムは、北米型とは思想は異なりますが、どちらも多くのアクターによって価値が共創されるという点は共通しています。
翻って、日本はどうでしょう。SDGsという言葉はバズワード化していますが、その意味や意義は本当に理解されているでしょうか。企業イメージや株価を上げるためにSDGsを口にしているのであれば、その姿勢はスウェーデンとはあまりにも違います。
日本では多くの人がちゃんとゴミの分別をしている、という意見を聞きます。では、分別したプラスチックごみがその後どうなっているのか知っているでしょうか。
実は、50%以上は焼却されています。その際、どうしてもCO2や有害物質が排出されます。そうしたことを知ると、分別以前に、まず、ゴミを出さないことが重要だということがわかると思います。
決められたルールを守ることはとても重要なことで、この点は、日本人は優れていると言われます。そこから、さらに一歩進んで、そのルールの意味や意義に関心をもち、もっと良いルールを一人ひとりが考えることができれば、日本社会だけでなく世界をさらに良くしていくことに繋がっていくのではないかと思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。