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働く高齢者の満足度を上げるための秘策あり

永野 仁 永野 仁 明治大学 名誉教授(元政治経済学部教授)

高齢者雇用安定法の改正が2013年に実施され、希望すれば65歳まで働くことができる継続雇用制度となりました。いまでは、会社勤めの人の多くが60歳の定年後も、そのまま働くようになっています。しかし、調査してみると、その働き方に決して満足しているわけではないといいます。原因は何なのでしょう。

働く高齢者の満足度は低い

永野 仁 高齢者の継続雇用制度が施行されて以来、大きな混乱もなく、スムーズに制度が定着したように見えます。例えば、西ヨーロッパの国々でも高齢化社会が進行しているため、高齢者の就労を促進する政策が採られていますが、スムーズな定着とはなっていないようです。ひとつには、若年層の雇用を促進させるために、高齢者にはなるべくリタイヤしてもらうという政策が、長い間採られていたことが挙げられます。 日本でも同じような考え方がありましたが、急激な少子高齢化のために、そうも言っていられなくなったという事情があります。いってみれば、日本であれヨーロッパであれ、60歳や65歳でリタイヤするということに根拠はなく、ただ社会的事情でそうなっていたということです。実は、60代後半でも、70歳を過ぎても、元気で働くことは良いことだ、という認識を、個人も、社会や企業も、もつことが必要なのです。

 実際のところ、会社勤めの人も、多くが60歳定年以降も、様々な形で働き続けています。ところが、そうした働く高齢者が、働くことに満足しているのかといえば、決してそうではありません。むしろ、満足度は低いというのが実状です。原因のひとつは、働く大きな理由である収入が、思ったように得られないことがあります。例えば、継続雇用の場合、その対応は企業によってまちまちですが、60歳で定年を適用し、あらためて再雇用するというやり方が多いようです。すると、企業にとっては、定年を機に処遇を大きく変えることができます。定年までは正社員で、部長や課長などの役職に就いていた人も、役職のない嘱託という形で再雇用できます。当然、給料も大幅に下げることができます。60歳の社員からすると、本人から見ると同じように働いていても給料が下がるという現状では、満足度が低いというのは当然のことのように思われます。

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