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ロジスティクスの視点で考える「物流危機は新ビジネスのチャンス」

橋本 雅隆 橋本 雅隆 明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授

社会的共通価値を実現するロジスティクス

 これからの社会では、限られた資源をうまく活用して社会共通の問題を解決するようなビジネスが求められてくるでしょう。これをCreating Shared Value(CSV)といいます。CSVを実現するためには、その地域社会で活用可能な能力、人材、スペース、時間を経営資源として臨機応変に組み合わせ、仕組み化する新しいイノベーションを起こさなければなりません。もともとロジスティクスはある目的に対する準備の体系という意味があります。これからの社会では、人材もエネルギー資源も物理的な資源も大切にし、自然環境とも調和しつつ、できる限り長く、効率よく、高いレベルで活用し続ける必要があります。高齢化社会のなかで、世界的にもレベルの高い宅配サービスもますます重要な役割を担うことになるでしょう。このような利便性の高い社会を末永く維持するために、私達は、サービスの提供者と受益者、消費者と働き手の分断構造を克服し、地域社会をささえ続けられる「生活者」として、どのような役割を担い、どのような姿であり続けるのかを考え直す時期に来ているのではないでしょうか。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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