明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

顧客と企業が協働して価値を生み出す ―協働型マーケティングの時代―

明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授 上原 征彦

企業と顧客の関係性をどう創るか

 「協働型マーケティング」においては、企業のみが価値を創るのでなく、顧客と一緒になってこれを創ることが求められる。問題は、企業と顧客がどのようにして関係性をもつかということだ。先に示した商店街では、“コンシェルジェ”を設けることで、顧客との会話・交流が成立した。では一般企業ではどうするか。ある家具店の例を見てみよう。家具は購入後に、据え付けて消費してこそ価値が生まれる。つまり、“配送”が必要でありそれは商品価値の一つとして価格に反映される。その家具店は、家具をノックダウンにして、これを家で組み立てるようにして、配送は顧客に任せ、販売に特化することで低価格を実現、新しい“機能分担型関係”を創り出した。また、ある建機メーカーは、各種建機の中にセンサーを取り付け、故障が発生するとネットワークを介して情報が伝わる仕組みを提供している。顧客と一緒に状況を把握することが可能になった。“協働”の一つのカタチである。ある楽器メーカーは、それまで電子ピアノは電子楽器のカテゴリーとしていたが、顧客の声を反映させてピアノのカテゴリーとして、顧客が品選びしやすい状況をつくった。大手繊維メーカーが売り出したメガネ拭きは、今、顧客の要望に応えて顔拭きとして販売されている。いずれも売り上げ増につながっているが、それは企業と顧客が関係性を築き、一緒に価値を創った結果なのである。

ビジネスの関連記事

株式投資は「愛ある金融」に変わり始めている

2019.2.27

株式投資は「愛ある金融」に変わり始めている

  • 明治大学 商学部 教授
  • 三和 裕美子
パリ・コレに見る、「一流ブランド」の真価

2018.11.28

パリ・コレに見る、「一流ブランド」の真価

  • 明治大学 商学部 特任講師
  • 東野 香代子
日本の企業は“内なるグローバル化”によって生き残る

2018.4.25

日本の企業は“内なるグローバル化”によって生き残る

  • 明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授
  • 首藤 明敏
正規・非正規の格差是正と「同一労働同一賃金」

2018.4.11

正規・非正規の格差是正と「同一労働同一賃金」

  • 明治大学 法学部 教授
  • 小西 康之
働く高齢者の満足度を上げるための秘策あり

2018.2.14

働く高齢者の満足度を上げるための秘策あり

  • 明治大学 政治経済学部 教授
  • 永野 仁

Meiji.netとは

新聞広告連動企画

新着記事

2019.08.21

地方自治の権限の拡大によって、現代型民主主義は進化する

2019.08.07

生物化学は、「より良く生きるための医療」に貢献する

2019.07.31

万葉集に由来する「令和」に込められた、時代にふさわしい願い

2019.07.24

使い心地の良い道具は、道具ではなくなる

2019.07.17

フランス人はなぜデモを続けるのか

人気記事ランキング

1

2018.05.23

衰える結婚、止まらぬ無子化 ――このままでは日本の未来が失われる

2

2019.08.07

生物化学は、「より良く生きるための医療」に貢献する

3

2019.08.21

地方自治の権限の拡大によって、現代型民主主義は進化する

4

2015.10.21

うつ病の対処に必要な「援助希求」という能力

5

2014.09.01

緊急提言、人口減少社会に歯止めをかける ―方策は少子化対策、社会…

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム