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固定観念が覆されたとき、さらに大きく成長できる
2023.06.16

人生のターニングポイント固定観念が覆されたとき、さらに大きく成長できる

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/人生のターニングポイント【25】

私のターニングポイントは、本学の旧短期大学(情報コミュニケーション学部の前身)を卒業してドイツに滞在した時です。

学生時代、アルバイトや旅行で外国人と関わったことで、「一度は海外で暮らしてみたい!」と思うようになりました。

そして、第二外国語としてドイツ語を選択していたことに加え、「日本とドイツは似ている」と聞き、イメージと勢いだけでドイツへ渡ることを決めてしまったのです。

しかしドイツに滞在してわかったのは、日本人とドイツ人とでは、政治・社会意識やメンタリティがまったく異なるということでした。

特に、日本では隠されがちなSOGI(性的指向・性自認)や妊娠中絶の問題など個人的なセクシュアリティについて、ドイツ人は堂々と語り、活発に議論していたのです。渡独前に抱いていたイメージが覆り、議論の輪に入れないばかりか、日本の政治・社会問題についてさえ、ドイツ人に説明できない自分がとても恥ずかしくなりました。

帰国してからは、可能な限り知見を広げ、とりわけセクシュアリティについて掘り下げて考えたいと思い、本学の政治経済学部に編入することにしました。

さらに大学院に進むと、それまでの学びが「ドイツ史・政治社会・セクシュアリティの関係性」に収斂することとなったのです。

ドイツで受けた衝撃が、今の私を作っているといっても過言ではありません。

学生および社会人の皆さんにも、自分の持っていたイメージや固定観念が覆される瞬間があると思います。

それによって自分の無知や力不足を恥じることがあっても、悲観する必要はありません。その経験こそが、さらに自分が大きく成長できるチャンスなのですから。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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