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オーストラリアで気づいたワークライフバランスの大切さ
2025.01.29

人生のターニングポイントオーストラリアで気づいたワークライフバランスの大切さ

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/人生のターニングポイント【100】

研究者としての浅いキャリアを振り返ると、オーストラリアのメルボルンへの留学は、私のターニングポイントになったと言えると思います。

これは研究面においてプラスであったのはもちろんのこと、日本で生活している分には生じない苦労や経験を通して、生きる力が身についたように思います。

2019年からオーストラリアの大学の研究所に研究員として滞在していました。結果的には新型コロナの流行で翌年には帰国することになるのですが、メルボルンでの生活は私にいろいろな気づきを与えてくれました。そのひとつが、ワークライフバランスのあり方です。

メルボルンでの研究のやり方は、何名かでチームを組んで、各々が得意分野を担当して行う分担作業が中心でした。残業は基本的になく、ほとんどの人が定時で帰ります。かと言って、研究のパフォーマンスが悪いわけではありません。メリハリをつけて研究の生産性を上げているのです。

たとえば、同僚の研究者たちは、さも普通のことのように二、三週間の休暇をとっていました。日本の社会人はあまり長期の休みをとれないので、これは驚きでした。

もっとも、研究者たちは自宅でも仕事をしているとは思いますが、やはり家族と過ごす時間や自分のための時間を仕事よりも大切にする(少なくともそう見える)というのは、やはり日本とは文化が違うと感じました。

時間は平等に、誰しも1日24時間しかありません。私の研究分野である身体活動で言えば、その限られた1日のなかで、どうやって身体を動かす時間をつくるか、というのが大きな課題になります。

メルボルンでのワークライフバランスのあり方は、私自身の生活を改める機会にもなりましたし、日本社会においても見習うべきだと感じました。

仕事で結果を出すのはもちろん大事ですが、その基礎となる体調管理や心身の健康を考えると、やはりワークライフバランスを軽視していては本末転倒です。

私から若いビジネスパーソンの方々に言いたいことは、異なる環境でさまざまな経験を経ることで、生活に対する考え方はより柔軟になり、結果的に仕事のパフォーマスを高めることができる、ということです。仕事で行き詰まっているときは、他の業種の仕事のやり方や、海外の働き方など、自分の知らない世界をを覗いてみてもいいかもしれませんね。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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