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就職の失敗から学んだ、夢中になることの大切さ

牛丸 元 牛丸 元 明治大学 経営学部 教授

考え方や価値観が変わるほどの出来事に遭遇したら、それは成長へのチャンス。明治大学の教授陣が体験した人生のターニングポイントから、暮らしや仕事を好転させるヒントを探ります。

教授陣によるリレーコラム/⼈⽣のターニングポイント【10】

私のターニングポイントは、新卒で入った都市銀行をすぐに辞め、大学院へ行ったことです。

大学を出たばかりの私にも分かるほど、企業としてアグレッシブさが感じられず、どうしても仕事が面白いとは思えず、勤務を続けることができませんでした。

何十年も前のことなので、新入社員が会社を辞めても、再就職などなかなかできない時代です。「大学院にでも行って様子を見よう」と気楽に考えて進学しました。

ところが、大学院は想像以上に面白く、私は「企業分析」の研究に夢中になりました。そのうちに、この研究成果を生かせる「知的フィールドで働きたい」という気持ちが強くなっていったのです。

幸い金融系シンクタンクに就職が叶い、その後、縁あって大学の教員となりました。今考えると、初めに銀行を辞めたことは、若さゆえの少し無謀な行動ではありましたが、新しい「学び」を拓いてくれたのです。

私は大学院へ行ったことも含め、仕事を変える度に「これは人生の転機だ、新たな気持ちで頑張ろう!」と思うようにしています。夢中になって取り組めば、何年かして振り返った時、自分の成長を実感できるからです。

仕事というものは、自分にとって興味のあることを、力の限り頑張ってこそ、充実感や達成感が得られるものなのではないでしょうか。

今、私は、教える側になっていますが、新たな分析方法や考え方を夢中になって学ぶことで、60代になった今でも、成長しているような気がします。

本校大学院の経営学研究科「マネジメントコース」には社会人が多数在籍していて、中には博士課程に進む方もいます。ぜひあなたも、働きながら、自分が夢中になれる勉強にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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