明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

想像力を仕事のモチベーションに繋げよう

大槻 晴海 大槻 晴海 明治大学 経営学部 准教授

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/⼈⽣で影響を受けた⼈物【105】

作家・吉川英治の「われ以外みなわが師」という言葉のように、私の人生には影響を受けた人物がたくさんいて、一人だけ選ぶのはとても難しいことです。

あえて挙げるとすれば、大学受験という人生の岐路で選ぶべき道を教えてくれた、考古学者のハインリヒ・シュリーマンでしょうか。

彼は、子供の頃に読んだ本に描かれていた「トロイの伝説」に対するロマンを、大人になっても持ち続けていました。そして、「トロイは存在する」という信念を貫き通し、見事に、神話だと思われていたトロイを発見するのです。

私はもともと考古学に興味があり、受験勉強の合間にシュリーマンの自伝『古代への情熱』を読んでいました。そこで、シュリーマンが発掘資金を貯めるために実業家になったことを知り、経営学にも興味をひかれました。

どちらの道に進もうかと悩みましたが、彼の足跡を辿ろうと、本学の経営学部に進学したのです。そして、私はいつしか経営に役立つ会計学の面白さに目覚め、現在に至っているというわけです。学者となったという点では、同じです!

シュリーマンは、一生涯にわたり想像力と行動力を持ち続けた人物でした。

例えば、噂に聞く日本に興味を持った彼は「自分の目で見てやろう」と、幕末の動乱期にもかかわらず来日。さらに国内を旅して社会や庶民をしっかりと観察し、旅行記を書くほどの行動力をみせるのです。

そういう人物だからこそ、誰もがその存在を信じなかった、トロイの遺跡を発見することができたのでしょう。このシュリーマンの想像力と行動力には、私は今でも感服させられています。

研究やイノベーションに大事なものは、ビジョンを描く想像力です。それが道を切り開くための指針となり、今まで気づかなかった物事を発見したり、新しいものを生み出したりする行動力のきっかけになります。

仕事をする時にも、関係する人々の夢や希望を心に描くことで、今の自分が成すべきことが見えてきて、仕事に対するモチベーションが上がったり、やりがいを持って働いたりすることができるはずですよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

リレーコラムの関連記事

叱られるのも悪くない、と思った研究室時代

2023.2.2

叱られるのも悪くない、と思った研究室時代

  • 明治大学 理工学部 専任講師
  • 光永 威彦
ひとつの組織の中で満足せず、他流試合で成長を

2023.1.26

ひとつの組織の中で満足せず、他流試合で成長を

  • 明治大学 理工学部 専任講師
  • 新山 龍馬
皆が共に生きられる、多様性のある社会を築こう

2023.1.19

皆が共に生きられる、多様性のある社会を築こう

  • 明治大学 法学部 教授
  • 田中 ひかる
無限にある書物の中から人生のワクワクを見つけよう

2022.12.22

無限にある書物の中から人生のワクワクを見つけよう

  • 明治大学 農学部 教授
  • 松下 浩幸
スムーズな思考に役立つ、「型」を身に付けよう

2022.12.15

スムーズな思考に役立つ、「型」を身に付けよう

  • 明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授
  • 脇本 竜太郎

新着記事

2023.02.03

民主主義体制の下、英国王室が存続する理由は?

2023.02.02

叱られるのも悪くない、と思った研究室時代

2023.02.01

建物の水からカーボンニュートラルを考える

2023.01.31

体内時計が教えてくれるアラーム

2023.01.27

日本ではありえない、 スウェーデンでは当たり前のこと

人気記事ランキング

1

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

2

2023.01.27

日本ではありえない、 スウェーデンでは当たり前のこと

3

2023.02.03

民主主義体制の下、英国王室が存続する理由は?

4

2023.02.01

建物の水からカーボンニュートラルを考える

5

2018.11.06

#2 日本政府の借金はなぜこんなに膨らんだの?

連載記事