
人生で影響を受けた人物社会人も大学で学びキャリアアップにつなげよう
教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【97】
私が学部生だった頃、一般教養の授業を受けた、磯田道史先生(国際日本文化研究センター教授)です。
よく歴史番組などでコメンテーターとして出演されている方ですが、あの『武士の家計簿』の著者で、社会経済史を研究されています。
授業では本に出てくるような話もされていましたが、とにかく専門的で、言ってみれば “オタク”のような内容も多い。しかしどこまでも楽しそうに講義を続けられるのですよね。
当時はまだそこまで有名ではなかったのですが、話はすごく面白い。学生からしても「この人は研究者としてのケタが違う」とはっきりわかりました。
「社会にとって価値がある」というより「私はこれが楽しい」に集中し、専門家がどのくらい細かいところまで詰めて、磨いて、教えているのかを目の当たりにすることができました。
自分の研究が大好きで、学問への興味がどこまでも尽きない磯田先生が目の前にいた。その出会いが、研究者を目指した一番のきっかけです。
これからは専門性というものが、キャリアを構築するうえでさらに大事になってきます。社会人にとって、学ぶことがすごく大切になってくるはずです。
専門的な技術や知識を持っている専門職を簡単に目にすることができるのは大学です。
ぜひ大学の社会人講座などに行かれて、専門知識の学びはもちろん、大学教員とはどんな人間か、日頃からどういうことを話しているかを観察するのも面白いと思います。
最近は副業も推奨される時代ですから、起業に役立ったり、仕事のヒントや素晴らしい仲間に巡り会えるかもしれませんよ。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。