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相手への期待を込めた指導で、成長を促そう

宮崎 イキサン 宮崎 イキサン 明治大学 政治経済学部 専任講師

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【26】

私は人生において、同じく研究者である父から影響を受けたところが大きいです。父は数学、私は経済学と、研究分野こそ違いますが、子供の頃から研究者としての父の背中を見て育ちました。

父は礼儀の面でも、教育の面でも大変厳しい典型的な“昭和の父親”で、私は幼い頃から怒られてばかりでした。中でも繰り返し注意されてきたのは、「少しでも例外が存在するものに、絶対という言葉を軽々しく使ってはならない」ということ。

数学者としての職業病なのか、そういう性格だからなのか、物事を常に厳密に考えるよう言われていました。子供心に何もそこまで、と思っていましたが、大人になるにつれてそのおかげで何度も助けられています。

もう一つ印象深いのが、数学が苦手だった学生時代の私への「数学は才能ではなく、鉛筆を手に机に向かった時間の長さだ」という言葉。

安易に才能のせいにせず、まず努力すべきという、研究者だからこその叱咤激励でしたが、その姿勢にいつしか尊敬の念を抱き、同じ研究の道に進みました。

父は息子の私だけでなく、学生にも厳しいことで知られています。同じ立場となったいま、その厳しさは「大学生であれば、ここまで到達してほしい」という想いから来ていると感じるのです。子供の頃はあんなに嫌だった厳しい父の教育も、今では感謝してもしきれません。

ビジネスの世界でも、たとえ「昭和」と言われようが、部下や後輩の方に対してときには期待を込めながら、熱く指導してみてはいかがでしょうか。それはきっと相手の成長に繋がり、いつか必ず感謝される日が来ると思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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