
2023.01.27
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。
石川経夫先生(元東京大学教授)と伊藤元重先生(東京大学名誉教授)を挙げさせていただきます。それぞれ大学と大学院でご指導いただいた恩師です。
お二人に共通しているのは、ご自身よりもずっと若い世代の学生や研究者に対してもリスペクトの姿勢を常に忘れないということです。
石川先生はもうお亡くなりになりましたが、とても謙虚な方で「僕らの持っていないスキルや知識を持っている若い人たちからもっと勉強したい」といつもおっしゃられ、こちらが恐縮してしまうほどでした。
伊藤先生は今もお元気でご活躍されていますが、私にとっては雲の上の存在。とても偉い先生なのにOB・OG会では「卒業生の皆さんに負けないつもりで、僕も頑張っている」とおっしゃるのです。
学生・院生時代、そういう先生方に背中を押していただけたから、新しいことにチャレンジしながら、のびのびと勉強や研究ができたのだと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
今、私自身が教壇に立つようになりましたが、学生たちに接する時、あるいは自分より若い世代の研究者と共同研究をする時などは、お二人の姿勢を見習うようにしています。
若い世代の考え方や思いに寄り添いながら、私も彼らから勉強できるように。もちろん、私の持っている知識や経験は惜しみなく共有できるよう心がけています。
それぞれの世代が長所を活かしながら、互いに協力しあったり、補いあったりすることが学問の発展にもつながるでしょうし、そうすることがお二人へ恩返しになるのでしょうから。
異なる世代と一緒に仕事をすることには難しい面もあります。でも、上の世代も、下の世代もリスペクトし合えれば、きっとお互いに得るものは大きいと思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。