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ロールモデルを設定し、自己成長の戦略を立てよう

栁川 鋭士 栁川 鋭士 明治大学 法学部 准教授

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【75】

どんな分野においても、一流の方々からは多くを学ぶことができるのではないでしょうか。

私は弁護士であり、今は縁あって法学部の一教員として教えています。これまで刺激を受けたのは、大学の指導教授はもちろん、司法研修所の指導教官、自分が勤務した法律事務所の同僚、相手方となった優秀な弁護士たちです。

司法研修所は司法試験に合格した者が実務を学ぶ場所。そこで出会った裁判官、検察官、弁護士の教官はいずれもトップクラスの実力で、妥協せず自分に厳しい一流の方ばかり。一緒に研修した同僚も人生プランをしっかり持っている優秀な人たちでした。

特に最初に勤務した法律事務所の先輩や同僚は、私の最初のロールモデルになりました。例えば指導教官を目指すとなるとゴールまで距離がありますが、自分より優秀な先輩や同僚とは圧倒的に離れているわけではない。自分を奮い立たせ、追いつこうと努力しました。

また、一緒に仕事をすることとなった著名な海外の法律事務所の弁護士や、相手方となった弁護士からも、仕事を通じて多くを学び、影響を受けたと思います。

トップクラスの事務所に入ることも選択肢のひとつですが、私は一流の弁護士を相手方にできるような中堅規模の法律事務所に所属。このような選択も自分の実力をつけるための一つの戦略ではないでしょうか。

一流の弁護士というのは、ただただ叩くようなやり方はしません。ロジカルな思考で物事の進め方がとても優れており、相対するたびに刺激を受けてきました。

そして、自分のレベルが上がれば、その変化に応じて新たなロールモデルが現れます。私自身、そのたびに目標を柔軟に変更して対応してきましたし、変化の激しい社会では、よりフレキシブルな対応が必要でしょう。

若い時は自分の理想と現実とのズレをなかなか認めにくいものですが、どこかで認めないと次に進めない。理想像に近づこうと頑張っても、近づけば近づくほど距離があることも分かるわけです。

だからこそ自分の得意分野は何か、どう伸ばしていったら理想に近づくのか、といったことをきちんと把握・分析することが重要ではないでしょうか。

その近道になるのが、模範となるロールモデルを見つけること。私がこれまで接してきた一流の人たちは自己分析をしっかりしており、自分の能力を高くも低くも見積もっていませんでした。

たとえ正確に自己分析しても、時には失敗することもあるでしょう。多くの困難を切り抜けた人は、全ての問題には解決策があると考えて冷静に直面する問題に対応することができますし、私もそのように考えるよう努めています。

ビジネスの世界でも困難に直面した時はあたふたせず、どう対応するかが大切です。リカバーすることで逆に評価されることもありますから。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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