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様々な知識を掛け合わせ、新しいものを生み出そう

小林 史明 小林 史明 明治大学 法学部 専任講師

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【52】

私が法哲学研究を目指すようになったのは、法哲学者である長尾龍一先生の影響です。

最初の出会いは、大学入学前に趣味だった新聞の切り抜き。長尾先生の著書『政治的殺人』について、作家・井上ひさし氏が面白いと紹介していたんです。

この書評をきっかけに先生の本を読んでみたところ、とても興味深く、こんなことを書く人がいるんだと当時は驚きました。

それから数年後、大学院で長尾先生の授業を取ったときに、新聞の切り抜きで著書を読んだことを思い出したんです。これが第2の出会いを自覚した瞬間でした。

法哲学には科学的、歴史的、哲学的など、様々な思考法を持つ先生がいますが、長尾先生はオーストリアの法哲学者・ケルゼンの代表的専門家でありながら、同時に歴史学・文学に関する膨大な知識をもとにした「雑学」もお好きな方です。

古代ギリシャから中国古典、時事問題まで、古今東西の幅広い知識をベースにした“法雑学”に面白さを感じ、大学院に進学、研究者の道に進みました。

長尾先生とのつながりは、昔も今も大切にしています。毎年夏に先生が開催する合宿では、直接の教え子も先生の人柄に惹かれた人も一堂に会し、先生を起点に多くの方と親交を深めるいい機会になっています。

また、専門分野や進路決定とは別に、青春時代に大きな影響を受けたのが批評家の浅田彰氏でした。

1980年代に日本で起きたニュー・アカデミズムブームでは、思想の新たな潮流として多くの若者が熱狂。その旗手だった浅田氏は知的なアイコンとして存在感を放ち、世代的に直撃ではないものの、とても幻惑されましたね。とにかくかっこいいと思ってしまいました。

10代の頃に浅田氏の著書をはじめ、あらゆる分野の本をがむしゃらに読み、様々な知識を身につけたことは、今思えばいい経験だったと思います。

ビジネスパーソンの皆さんの場合、自分の仕事に近い分野の本を読むことで、知識の深堀はできるかもしれません。ただ、それだけでは独創的な視点をもたらすことは難しいのではないでしょうか。

時には仕事と異なる分野の本を読んだり、違う考え方を掛け合わせたり。失敗するかもしれませんが、思わぬ化学反応が起きて新しいものが生まれる可能性が高くなると思いますよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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