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どんなプランも検証と修正を重ねて立てよう

連 勇太朗 連 勇太朗 明治大学 理工学部 専任講師

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【72】

まずは建築家のレム・コールハースを挙げたいと思います。オランダのクンストハル美術館やアメリカのシアトル中央図書館などを手がけている、現代において最も重要な建築家の一人です。

彼はジャーナリストや脚本家を経て、建築家へと転身した人。元がジャーナリストですから、常に社会を批評的に観察し、建築の設計だけでなくリサーチプロジェクトや書籍の出版、展示のキュレーションなど様々な形式で創作・批評活動をしています。

高校生の時、初めて彼の本を読んで面白いなと思いました。単に建物を設計するのではなく、空間を通して都市の成り立ちや資本主義などの社会システムを分析する。そして、そこから新しく何かを提案するという建築的思考方法に興味が湧いたのです。

影響を与えてくれた人物という意味では、私にそのレム・コールハースの本を勧めてくれた、父親も挙げるべきでしょうね。

実は父も建築家で、それこそレム・コールハースも学んだロンドンのAAスクール(英国建築協会付属建築専門大学)を卒業し、そこでしばらく助手もしていました。

この学校は伝統的に、建築を建物ではなく思想や概念として捉え、そのための方法論や思考方法をいかに発展させられるか、ということを命題にしてきたラディカルな学校です。

繰り返しになってしまいますが、建築は設計ではなく概念であり思想なのだと、私も考えていますので、やはり父からの影響は計り知れないですね。

今、ビジネスの世界でもデザイン思考やアート思考が注目され始めていますよね。これまでの大量生産、大量消費型の社会から、より情報化が進み、消費者のニーズも細分化・多様化したため、何が求められているのかがつかみづらくなりました。

また、災害やパンデミック、戦争など、不確実性が高い社会において、従来型の「計画」概念では何もできなくなってしまっています。だからこそ、小さく作っては検証し、修正し、また検証を繰り返す、新しい作法が求められているのです。

ソフトウェアの世界であればアジャイル、ビジネスではリーンスタートアップ、都市デザインではタクティカルアーバニズムなど、小さく仮説検証を繰り返し、社会をイノベーティブに変えていく手段が様々な分野で生まれてきています。

実はこうした時間を伴った不確実さに対応する方法論を、建築の世界では伝統的に様々なかたちで発展させてきました。そういう意味でも、建築的思考方法は今の時代だからこそ、より有効になってくるのではないかと思っています。

社会で働く皆さんも小さく検証、検証を繰り返しながら、自らの実践やプランを“設計”できれば、状況を漸進的に変えられるような、新たなアイデアに出会えると思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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