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著名人の言葉を、人生のヒントにしよう

石原 康利 石原 康利 明治大学 理工学部 教授

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【15】

個々の研究分野では多くの先生方から感銘を受けていますが、人生で、となると土光敏夫さんでしょうか。

土光さんは元々、タービンを製造する技術者でしたが、経営難に陥った石川島重工業や東京芝浦電気(現在の東芝)などの社長を歴任し、再建。経団連会長も務められました。

技術者から経営者に転身し、財界トップにまで上り詰められたそれぞれの局面での求道心を尊敬しているのです。

その豊富な経験からたくさんの言葉も残されています。私はそれらの言葉に出合って、ヒントをもらったり、勇気づけられたりしてきたのです。

土光さんの言葉に初めて出合ったのは、野球少年だった頃。小学6年生か中学1年生の頃に読んだ野球教本の中ででした。

その本の冒頭、「分かっていてもやらなければ分かっていないのと同じだ。やっても成果がでないのは、やらないのと同じだ」という文章が載っていました。

その野球教本が役立ったこともあり、子どもながらに、なるほど、その通りだな、と心に残ったのです。もちろん、当時はどなたの言葉なのかなんて知りません。のちに土光さんのものだとわかったのです。

次は、私が会社員から大学教員に転職しようとした時。教育者になる心構えを学ぶため、様々な本を読んだのです。

その中で印象に残ったのが、やはり土光さんの「松の木は松の木として育てよ」という言葉でした。

学生を、「学生」と一括りにするのではなく、一人一人の「個性」に合った育て方をする。大学教員になった今も、この言葉を大切にしています。

私と土光さんの場合、元技術者という共通点もありますが、全く別の世界であっても、活躍された方の言葉を知る、というのは大切なことだと思うのです。

困難にぶつかった時に役立ったり、自分を振り返るきっかけになったり。すぐにはピンと来なくても後々、その意味を実感することもあるでしょう。

なにか自分に響いた言葉や、引っ掛かった言葉を、心の中にたくさん貯めておく。それが人生の糧になったり、支えになったりすると思うのです。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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