明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

相手に合わせた指導方法で、可能性を引き出そう

石川 日出志 石川 日出志 明治大学 文学部 教授

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【45】

半世紀近い私の考古学者人生で最も大きな影響を受けたのは、高校教師で考古学者の関雅之先生です。

この道に進むきっかけは、高校2年生のときに同級生に誘われた遺跡の発掘。軽い気持ちで所属していた地歴部でしたが、遺跡に行くと弥生時代の住居が発掘の真っ最中でした。

自分で住居跡や土器を掘り出していく、その作業がとても面白かったんですね。

関先生とはこの時まであまり接点はありませんでしたが、掘り出した土器について尋ねると「高校生にもなったら、教員に聞くのではなく自分で調べなさい」と教えてくれませんでした。

ただ、参考になる本は聞けたので、図書室で調べて発掘したものと比較。そこで初めてどのようなものかを知り、考古学への興味が一気に広がったのです。

1日だけ参加した発掘と「自分で調べなさい」という先生の一言で、私の人生が決まったといっても過言ではありません。高校卒業後も、先生はその時々でちょっとした助言をしてくださいました。

大学進学時は、近代以来の考古学の歩み、また旧石器時代から少なくとも中世までの考古学を学びなさい。大学院に進む時は、明治大学を背負って立つくらいの気持ちで勉強しなさい。大学講師になる時は、研究者である前に教師としての責務を果たし、優れた学生を育てなさい。

どのアドバイスもほんの入口を示すだけでしたが、考古学者として、また大学教員としての初期設定だったと思います。

もしかすると先生は私の負けず嫌いの一面を見抜き、このような指導になったのかもしれません。教育現場では学生の受け止め方を見極め、個々に合わせたアプローチが大切ですが、それは企業でも同じではないでしょうか。

教える立場の人は、部下や後輩をあらゆる角度から観察し、どう伝えると効果的かを見極める。可能性を引き出すために、様々なアプローチ方法を持っておくといいと思いますよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

リレーコラムの関連記事

興味の範囲を広げて、新たな考え方を得よう

2021.12.2

興味の範囲を広げて、新たな考え方を得よう

  • 明治大学 経営学部 准教授
  • 宮田 憲一
自分の真理を追求し、イノベーションを生み出そう

2021.11.30

自分の真理を追求し、イノベーションを生み出そう

  • 明治大学 商学部 准教授
  • 西 剛広
考え方や行動の基盤となる“軸”を持とう

2021.11.25

考え方や行動の基盤となる“軸”を持とう

  • 明治大学 農学部 教授
  • 倉本 宣
広く深く教養を身につけ、人間力を高めよう

2021.11.22

広く深く教養を身につけ、人間力を高めよう

  • 明治大学 理工学部 教授
  • 小林 正人
新しいものを生み出す時は、先人に学ぼう

2021.11.9

新しいものを生み出す時は、先人に学ぼう

  • 明治大学 文学部 教授
  • 伊藤 真紀

新着記事

2021.12.02

興味の範囲を広げて、新たな考え方を得よう

2021.12.01

企業に囲い込まれる消費者から、選択する消費者へ

2021.11.30

自分の真理を追求し、イノベーションを生み出そう

2021.11.26

インドから始まるイノベーションは、カオスから始まっている

2021.11.25

考え方や行動の基盤となる“軸”を持とう

人気記事ランキング

1

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

2

2013.09.01

高信頼性組織とは何か ―失敗が許されない組織の条件―

3

2019.11.19

#4 日本のアニメの特徴って?

4

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

5

2021.12.01

企業に囲い込まれる消費者から、選択する消費者へ

リレーコラム