
2022.07.06
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。
私が人生で影響を受けたのは、雪の研究の基礎を築いた、科学者の中谷宇吉郎先生です。
先生を知ったのは学生時代。テレビなどで「世界で初めて人工的に雪の結晶を作った」と紹介されていました。“世界で初めて”という言葉に惹かれ、雪の結晶について色々と調べたのです。
誰もが知っているはずの雪の結晶の形には解明されていない謎がまだまだたくさんあるとわかり、自分でもこの研究をやってみたいと感じました。
中谷先生が偉大なのは、空の上は様々な気象条件が絡み合っているにも関わらず、「温度」と「水蒸気量」だけで、結晶の形との関係を整理されたこと。
この研究をまとめたグラフは「ナカヤ・ダイヤグラム」と名付けられ、雪の研究をする上で欠かせないものとなりました。
研究の成果はもちろんですが、シンプルに物事を整理した方法が素晴らしいと思うのです。私も研究者、科学者として、先生の取り組み方や姿勢を参考にしています。
皆さんも、憧れの人や偉人が残した功績だけでなく、そこに至った“過程”にも注目してみてください。
取り組み方や方法、考え方から学んでいれば、きっと自分の目指す答えやゴールに辿り着けるのではないでしょうか。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。