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効率化が進む現代こそ「無駄」を大事にしよう

明治大学 研究・知財戦略機構 特任准教授 山本 誉士

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【75】

私は動物の行動生態学を専門としており、彼らの環境適応メカニズムの解明や、温暖化等に伴う環境改変による影響評価・予測に取り組んでいます。

研究の大半の時間は、研究室でのデータ解析や試料分析などに費やしますが、私は可能な限り動物が生息する自然環境、つまり現場で過ごすように努めています。

しかし、なにを見るわけでもなく、ただボーッとするのです。

明確な目的を持たずに自然の中で過ごす時間は、一見無駄なようにも思えますが、その中で培われた自然を観る力が、ときに解析結果の解釈や研究アイデアに繋がることもあります。

このような「無駄な時間」は、生物の研究分野のみならず、ビジネスの世界にも通じるものがあるのではないかと思います。

データをどのように解析するのか、また解析によって得られた結果をどのように解釈するのか、データが溢れる現代だからこそ、その位置づけや意義を理解する現場感覚が重要なのです。

ビジネスパーソンの方も、積極的に現場や街に出て、興味を持ったことについて調べたり、体験したりしてみてはいかがでしょうか。

すぐには役立たなくても、視野が広がり、自分の中に経験や知識が蓄積されていくのを感じるはずです。

研究の世界も同様ですが、最近の社会では、短期的な時間スケールで成果を求められることも多いようです。

しかし、面白い発想や広い視野・思考は、心の余裕から生まれると感じています。

「無駄」に思えるような時間を大事にし、頭の中にある様々な知識同士に橋をかけることで、発想力に活かしていきましょう。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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