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#1 スポーツ観戦を楽しくする付加情報って?

明治大学 総合数理学部 准教授 中田 洋平

「将来の予測情報」を可能にする数理技術

近年、テレビなどでスポーツ中継を観ていると、選手やチームに関する様々な付加情報の表示が増えていると感じる人は多いと思います。

例えば、2019年のラグビーワールドカップでは、多くの「ラグビー観戦の初心者」も、そうした付加情報によってテレビ観戦を楽しめたのではないでしょうか。

こうした付加情報は、大きく分けると4つに分類できます。ひとつ目は「身体情報」。選手の体重や身長、走力などの情報です。例えば、ラグビーのスクラムの際に、フォワード8人の合計体重などが表示されると、その重量感が捉えやすくなります。

2つ目が「過去の実績情報」。野球で、打率や本塁打数などが表示されると、その選手のレベルや活躍度などが伝わります。また、サッカーでは、その試合のボール支配率などがよく表示されるようになりました。それにより、どちらのチームが試合を優勢に進めているのか捉えやすくなります。

3つ目が「現状の観測情報」。球技などでは、直前のプレーのボールの軌道をコンピュータグラフィックスなどで見せてくれたりします。ゴルフのボールの軌道や、プロ野球の投手の変化球がどれほど切れがあるのかなどがよくわかります。サッカーでは、オフサイドラインの可視化などもしてくれます。

そして、4つ目が「将来の予測情報」です。これから、どういうプレーや展開が起こりうるのかを提示するのです。こうした情報は、従来は、解説者が、蓄えた情報や自分の経験則などから話すことで伝えていました。これを、いま行われているプレーの様々なデータを基に、素早く分析、計算してビジュアル化して伝えようとするものです。

そこには、いま行われている試合から様々なデータを取得する情報技術をはじめ、それを数理モデルを用いてコンピュータで迅速に計算する数理技術が活かされています。

実は、こうした先端技術は、競技によっては数年前から選手強化などに活用されていました。それが、スポーツ観戦者に対して、観戦をより楽しくするための情報の提供という形でも活かされるようになってきたのです。

次回は、スポーツを数理技術によって分析することで、なにがわかるのかについて解説します。


#1 スポーツ観戦を楽しくする付加情報って?
#2 データ活用でチームを強くする方法とは?
#3 いままでにないスポーツ観戦ができるようになる?
#4 スポーツから数理技術を学ぶことができる?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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