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年表とグラフを作成し、つかみどころを見つけよう

中島 満大 中島 満大 明治大学 政治経済学部 専任講師

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【55】

私は歴史人口学を専門にしているのですが、何か知りたいことやわからないことがあったときは年表とグラフを作成しています。

これは、精神科医の中井久夫先生が実践されていたことなのですが、中井先生は患者さんが何歳のときに両親が離婚したとか、何歳の頃から幻聴があるとか、情報を時系列の年表とグラフという形にまとめているそうです。

基本的なルールは二つ。分類をしないこと、もうひとつは時間を追うこと。

分類をしないというのは、その現象に一見すると関係なさそうなことも、とりあえず時間に沿って書いていくことをさしています。

それを見ると、このときにこういう波があったな、ここでは落ち着いているなと、患者さんの状態がわかってくるようなので、私もその手法を知ってから研究に取り入れています。

例えば、この人には何があったのだろう、この家では何があったのだろうというのを、因果関係がわからなくても、とりあえず史料から読み取れることを起こった順に書き出します。

色々な情報を時系列に年表としてまとめ、グラフにしていくと、これまで見えていなかったことが見えてきたりするのです。

単純に、出生や死亡などの切り口だけではつかめない流れみたいなものが、ひとりの人を分析するとわかってきますし、単位は人だけでなく、家や村で起こったことについて書いていく作業は、考えをまとめるのにも役立っています。

アイデアが散逸したり、何をやっているかわからなくなったとき、年表とグラフにしてみると、その問題や現象の「つかみどころ」が見えてくることがあります。

一度そういう形で情報を整理してみると、改善すべきポイントや解決のヒントが見つかるかもしれませんね。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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