明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

比較の視点から、日常に潜むアイデアを見つけよう

明治大学 政治経済学部 専任講師 倉地 真太郎

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【17】

何かアイデアを探すとき、多くの人は目に見えやすい社会問題に関心を持ちがちです。最近ですと年金問題や子育て問題などでしょうか。

しかし、本当に重要な問題やアイデアは、時に隠されていたり、見えづらかったりします。その際に役立つのが「比較」の視点(物事を相対的に見る視点)です。いわば、「比較」とは問題発見のための技法の一つといえます。

「比較」をすることで、Aというところには○○が当たり前にあるが、Bというところには○○がないのはなぜかという問いをたてることができます。はじめから○○が「ない」状況に置かれている場合、なぜないのか?という問題には気づきにくいと思います。

いままで誰も問題だと思っていなかった事象を問題として発見することが、社会科学のひとつの役割ですが、おそらくこれは企業にも当てはまることではないでしょうか。

よく広告がネットで炎上してしまうのは、登場する人間の持つ多様性やバックグラウンドを制作側が想像できていないからです。

逆に色々な人間の姿を想定していく中で、新しい問題を発見していくような広告であれば、多くの人に訴えかけることができるでしょう。新しい問題を発見することは、社会を変えていく力にもなり得ると思います。

ビジネスパーソンの皆さんにとっては、会社の中で自分のスキルを客観視することは難しいことかもしれません。ただ、常に相対的な視点を持つ意識をつけることによって、新しい問題を発見していくことは、社会だけでなく、自分にとっても役立ちます。

なぜなら、その発見したことによって自分なりの気づきを得て、自分が何者なのか、自分の持っている能力が何なのかを把握できるようになるからです。

そして、こうした意識を持つことこそが、これからの時代には必要になると思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Hatena

連載コラムの関連記事

#2 アニメはオタク文化?

2019.11.12

#2 アニメはオタク文化?

  • 明治大学 国際日本学部 特任教授
  • 氷川 竜介
#1 日本のアニメはいつから世界で人気になったの?

2019.11.8

#1 日本のアニメはいつから世界で人気になったの?

  • 明治大学 国際日本学部 特任教授
  • 氷川 竜介
他分野との交流を通じて問題解決のヒントを探ろう

2019.11.7

他分野との交流を通じて問題解決のヒントを探ろう

  • 明治大学 理工学部 教授
  • 相澤 守
徹底的な情報分析と柔軟な発想の時間を持とう

2019.10.31

徹底的な情報分析と柔軟な発想の時間を持とう

  • 明治大学 経営学部 教授
  • 佐々木 聡
日頃から感性を磨くものに触れる習慣をつけよう

2019.10.24

日頃から感性を磨くものに触れる習慣をつけよう

  • 明治大学 専門職大学院 ガバナンス研究科 教授
  • 岡部 卓

Meiji.netとは

Meiji.net英語版

新聞広告連動企画

新着記事

2019.11.06

SDGsは、企業の社会における存在意義を問うもの

2019.10.30

再生医療の進歩にも繋がる、独自の人工骨開発技術がある

2019.10.23

渋沢栄一に学ぶ、多様な立場、多様な経験を活かす生き方

2019.10.16

増える、ひとり暮らしの高齢者が楽しい生活をおくるには

2019.10.09

増税による負担増ばかりではなく、受益増についてみんなで考えよう

人気記事ランキング

1

2019.11.06

SDGsは、企業の社会における存在意義を問うもの

2

2017.03.15

「沖縄振興予算」という呼称が、誤解を招いている

3

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

4

2018.05.23

衰える結婚、止まらぬ無子化 ――このままでは日本の未来が失われる

5

2017.12.06

ネット依存によって、現代人の脳の構造が変わりつつある!?

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム