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知識や経験を重ね、思いつくための準備を整えよう

山内 勇 山内 勇 明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【36】

私にとってアイデアは、生まれるのではなく生み出すものだと思っています。

他のことをしているときや、ふとした拍子にアイデアを思いつくということはよく聞きますし、実際にそういう経験は私にもあります。

しかし、それは、色々と調べたり考えたりした結果として知識が蓄積され、思いつくための準備ができているときの話だと思います。

もしかするとアイデアというのはコンスタントに生じているもので、単にそれを認識できるかどうかの違いなのかもしれません。

いずれにしても、チャンスを見逃さない用意が必要です。私の場合、それは「なるべく依頼を断らない」という形で取り組んでいます。

少し専門外の話だったり、その時点では何もビジョンを持っていなかったりするようなテーマでも、講演や寄稿などの依頼があれば引き受けるようにしています。

それによって自分の研究の幅を広げることになりますし、新しいアイデアを思いつくための備えになると思っているからです。

私自身はあまり社交的な人間ではないのですが、研究会や勉強会、懇親会もとりあえず行ってみる、そしてなじみのない分野でも、とにかく自分の持っている知識と結びつけて発言をするということを心がけています。

ビジネスの世界でも、ときに上司から思いも寄らない仕事を振られることがあるかもしれません。いまはピンとこなくても、きっとその経験が役立つときがくるはずです。

こうした日々の地道な積み重ねによって、いままで見えなかったものが見えるようになり、アイデアの源になるのではないでしょうか。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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