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ネット検索に頼りすぎずリアルな情報も活用しよう

橋本 健二 橋本 健二 明治大学 理工学部 准教授(2022年8月退任)

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【33】

私は移動ロボットの研究をしていますが、学生に必要な部品を探すよう指示すると、デジタルネイティブ世代のため、大抵ネット検索で済ませようとします。

しかし、インターネットでは検索ワードにヒットした商品ページしか出てきません。同じように見える部品でも、実際は形やサイズなど、色々な種類があるのに対し、検索にひっかかったページしか見ない人はそれに気づかないで終わってしまうのです。

そもそも検索ワードが適切でないと、必要とするものすら探し出せません。そのため、私は昔からあるような、メーカーが出している分厚い紙のカタログに目を通すことを勧めています。

正式な名称がわからなくても、パラパラめくっているうちに目当ての部品に辿り着いたり、思いがけず使えそうなものを発見したりすることもあるのです。

また、カタログには製品の使用法や応用例、選定計算方法なども付録として掲載されているので、とても役立ちます。

私自身、学生時代からこうした製品カタログを持っていて、隅から隅まで頭に入れるということをやっていました。暗記することが重要なのではなく、「この部品はあそこのページにあったな」という記憶だけで良いのです。

何かのときに「あれを調べよう!」ということになるので、自分のインプットを増やすためにも、カタログをひと通り見ておくのは大事だと思います。

ビジネスの世界でも同様に、一見無関係と思われる情報にもアンテナを張ることが大切なのではないでしょうか。他社のカタログをチェックしたり、様々な展示会のブースを回ったり、ホームセンターの全フロアを巡ったり。

知識が増えてくると、どこに行っても、何を見ても、自分のやっている仕事と関連付けられるようになります。

こうした日々の積み重ねによって、新しい発想を生み出しやすくなることでしょう。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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